ウェルネスプランかこがわ(第2次健康増進計画・第2次食育推進計画)
127/224

109 1 食育の考え方 食育とは、 ① 生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの ② 様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な 食生活を実践することができる人間を育てるもの 「食べること」は「生きること」であり、毎日をいきいきと過ごし、生涯にわたって心もからだも健康で、質の良い生活を送るためには、一人ひとりが食について考え、食を充実させることが大切です。 我が国は、かつての食糧難といわれた栄養不足の時代から、戦後の高度経済成長により生活水準が向上するとともに飽食の時代を迎え、栄養の過剰摂取に陥りやすい現状にあります。 それにともなって、自給可能な米の消費量が減少し、畜産物や油脂類の消費が増大したことで、大量の飼料穀物や食物油脂の原料を輸入に頼っています。 その結果、カロリーベースの食料自給率*は、昭和40年度(1965年度)の73%から昭和50年度(1975年度)には54%、平成28年度(2016年度)には38%と大きく低下しています。現在の我が国の食料自給率*は、世界の先進国の中で最低の水準であり、食を海外に大きく依存している現状にあります。一方で、大量の食物廃棄物を発生させるなど、環境への大きな負担を生じさせている現状にもあります。 また、我が国は気候風土に適した米や魚、野菜を中心とする伝統的な食文化に、戦後、肉類、牛乳・乳製品、油脂、果物が加わり、多様性があり栄養バランスに優れた健康食である日本型食生活*を実現してきました。 しかし、食に関する価値観やライフスタイルの多様化などにより、穀類の摂取量減少や野菜の摂取不足、脂肪摂取量の増加などによる栄養バランスの偏りや、食生活の乱れなどに起因する生活習慣病*の増加など、日本型食生活*の衰退とともに食を取り巻く様々な問題が生じています。 食について、様々な情報が得られる社会の中、市民一人ひとりが、食に関する正しい知識と判断力を養い、生涯を通じて健全な食生活を実践する必要性が高まっています。また、心身ともに豊かな人間を育てる食育は、家庭、認定こども園・保育所・学校園*、地域など様々な場において推進する必要があります。 加えて、健康のためにも、私たちが将来安心して食料を手に入れられるようにするためにも、米を食べることや国産や県内産を意識的に取り入れること、食べ残しや廃棄を減らすことなどが必要です。 この計画では、「家庭における食育の推進」、「認定こども園・保育所・学校園*における食育の推進」、「地域における食育の推進」、「食の恵みを活かした食育の推進」、「食育推進のための環境づくり」の5つを取り組みの柱として施策を展開しています。

元のページ  ../index.html#127

このブックを見る